IMITATIO-XP.COM

これは一人のマイノリティーが書いた自分自身とこの国の救いなき来世についてのレポートである。W.ジェイムスは労作「宗教的経験の諸相」で“超感覚者は無敵である”と言ったが果たしてそうだろうか。この時代、むしろ私は“常感覚者は巨象である。我々はその足に踏み潰されないよう必死に逃れる蟻のようなものだ”と思う。しかし今、孤立の怖れを捨てて私はこう叫ばねばならない。

“人々よ、長い眠りから目覚めよ。無知の麻薬の快楽に耽るな。そしてこの警告を受け入れる人々に神の恵みあれ。”

赤い楯(下)

 地球の全史の頂点に立ったのが近代のロスチャイルドだった(P-713上)。我々の高校の歴史教科書にはロスチャイルドの名は出て来なかったと思うが現在の教科書ではどうなのだろうか。上巻は基本的にほぼ我々の世代が高校の世界史で習ったことの復習であったから何とか纏めることが出来たが、下巻(p-507~)の内容は我々と同世代人が長年日常の暮しを送って来た中でニュースとして報道され、まだ生暖かく記憶に留まっている現代史であり、中には定評を得ていない on-going のテーマも多いからどう扱えば良いのか大変である。後半で筆者の関心はまずフランスに向けられる。スターリンによる合計数千万の餓死者・刑死者を出した政策が目指す所は鉄の増産にあり、ウクライナの穀物を来年の種籾さえも残さずフランスに売れるだけ売って得た金がその資金になった。アゾフスターリの巨大な製鉄所は今回のロシア・ウクライナ紛争ですっかり有名になった。フランス側でこのビジネスに関わったのは筆者の推定によれば穀物商社ルイ・ドレフュス商会であった。ビスマルクの「鉄は国家なり」の信奉者は毛沢東も然り、生活必需品の鍋・窯・農機具まで溶かして国家一丸となって粗鋼生産目標の達成に邁進したことは名著「ワイルド・スワン」に出ていた。この二人だけでなく、ポルポトや金ファミリーの下でもみじめな共産主義国の国民は独裁者によって粛清されるか餓死してその命は余りにも軽かった。一党独裁の政治が専制と背理に陥り For the people になることは決してなかったというのが私の共産主義に対する総括で、例外的に合格点を貰えるのはホー小父さんくらいではないだろうか。筆者は独特の係累をたどる手法を使ってマルクスによる「資本論」の原点はロスチャイルドにありと言っているが、鋭い指摘だと思う(P-931下)。というのは私は奇しくも小説「1984年」の査察官オブライエンのモデルはロスチャイルドではないかと思っていたからである。オブライエンのやり方は人間を殺すのではなく生きたまま魂を取り替えることだったが、これはモートの手口そのままである。そしてオーウエルが描く36年後の「1984年」の空想的未来は赤色集産主義世界であった。

 安倍晋三・元首相について紳士録を見れば彼が元外相・安倍晋太郎の息子であることが分る。そして安倍晋太郎の妻洋子は岸信介の娘であり、岸信介の実弟はノーベル平和賞を受賞した元総理大臣・佐藤栄作である。彼らの地盤は山口4区である。さらに詳しく調べればかって岸信介邸は文鮮明邸と地続きの隣り同士であり、この選挙区内の下関市には日本最大のコリアンタウンがある。従って岸・佐藤・安倍は姓名は違うが一族であり、このファーミリーが集票のために元統一教会と長い間ギブアンドテークの癒着があったことが推察できるだろう。思うに筆者はこの本に登場する夥しい欧米の人物についてこれと同様の探索を英語・フランス語・ドイツ語の原典資料に当たって根気強くやったのだと思う。その過程でフランス人の中にはギイ・ロスチャイルドのように、彼がポンピドーとは「親友」または「血を分けた一族」のような深い仲であると自伝で書いている(P-576下)にも拘わらず、調査からはその理由が上がってこないケースがあることを不思議に思っている。また銀行支配者たちが何故か内輪だけの「無限の一族」のようなものを形成している(P-635下)とも書いている。かと思うと今日では痕跡さえも残っていないファミリーがある(P-638上)。これらの謎はフリーメーソンのせいかというと必ずしもそうではない。ミッテランは正当派の派閥に属している人間ではなかった(P-605下)、つまり彼の名は歴史的な昔からある政治団体の中には見当らないが、現在はフリーメーソンの実働部隊にその名がある。フランスのフリーメーソンはフランス革命の頃誕生し王制打倒に重要な働きをした(P-590)。しかしフリーメーソンのメンバーの多くは小物ぞろいで(つまりそれ以前の歴史に登場した事のあるビッグネームではなく)、用済みの人間は消されたのである(P-605下)。小物とは革命を志して結社に入った反王党派の(オーウエル流に言えば)プロレたちであろう。他方、フリーメーソンの中で生き残ってミッテランのように大統領にまで昇り詰めるのはロスチャイルドに見込まれた者であろう。ではロスチャイルドに選ばれるか見放されるかの差は何なのかということになる。恐らく上述したすべてのケースで彼らがロスチャイルドと「血を分けた一族」かどうかということがキーになったであろう。それまで彼等は歴史の影に巣食っている存在に過ぎなかったが、今や「ロスチャイルドは国家なり」の時が来たのである。こうした目にも見えないし記録にも残っていない基準で人間が選抜され、または排除される国に対し、筆者は「現在のフランスは世界一の秘密国家である」(P-588上)と言っている。似たような表現はこの本のあちこちに見付かる。
 大戦後ジェームス・ロスチャイルドの孫モーリスがドゴールに原子力庁を創設させブルム首相に「フランスの兵力を原爆によって強化せよ」と指示した(P-633上)。この指令に対する対応にミッテランとディスカールの間には微妙な温度差がある。ミッテランの後を継いだディスカールデスタン大統領は原爆実験で筆者に糾弾されているが、ディスカールなりにそうする理由があったのではないか。当時は地球の石油埋蔵量があと半世紀分位しかないという悲観論がまことしやかに喧伝されていて、中東戦争によって石油価格も暴騰する中でフランスの自前の石油会社トタルはセブンシスターズにも入っていなかった(現在は6メジャーズの一つ)。ロスチャイルドが支配するシェルはイギリスとオランダの合弁会社であった。もし近い将来石油が枯渇するのであれば可能な解決策として原子力発電は無視できない選択肢であっただろう。しかし原子力発電がいかに厄介な難物であるかはやってみなければ分らなかった。この本が出た後に起きた福島の事故で筆者の危惧は現実のものになったが、最近の電力需要のトレンドはうなぎ登りで、可能であればより安全で効率の良い原発(例えば浮体式溶融塩高速炉は結構づくめであるがうまくいくかどうか)を期待する声は今もある。それでも放射性廃棄物の処理問題は持ち越されているし、その対策は原発導入上のクリティカルパスである。原爆保有国はインド・パキスタン・北朝鮮と拡大し、フランスが先行したからといって特別なことではなくなった。だが問題は原爆を持てというロスチャイルドの指令には国防だけでなく別の意味があって、私は後程それを言わなければならない。
 ナポレオンが創設したフランス国立銀行は二百家族のものになっていた。この銀行は二百家族へのボーナスのためにフランを増刷する位のことはしていたと思うが、EUが動き始めてユーロ紙幣の発行権がEUに移り事情が変わった。それでも印刷所は各国にあるからこっそり増刷することも不可能ではないだろうが、自分たちの作った組織の規律を乱すほど悪質かどうか。逆に電力は国有化されジェームス・ロスチャイルドが始めた北部鉄道も含めて鉄道も国有化された(P-740上)。しかし利権は担保されていて、もし赤字になれば国民の税金で埋め合わせするのだろうと皮肉も言いたくなる。上巻のテーマは主に金とダイヤモンドであったが、銀行・鉄道・電力に加えて、武器・ワインを含めた食品業・海運業・原子力産業・観光業・世界にニュースを配信する通信業・広告業等々が如何してロスチャイルドの下に集約されたか、この本に詳しく書かれている。鉱山業者リオ・チント・ジンクによって南アとナミビア産のウランが支配された(P-547上、P-688上)がこれもロスチャイルドである。この全体像に筆者が「一体彼らは何をしようとしているのか」(P-687上)と疑問を感じるのも当然であろう。筆者は余り関心がないがフランスの場合宗教も彼らのものの一つである。
 私がキリスト教に改宗して間もなく見た夢で、三角形の中に目がある「プロビデンスの眼」の絵柄が手の届くほど近くに現れたのに驚いた。不思議なことにそれは中空に浮かんでいたが周りには誰もいなかった。このシンボルマークはフリーメーソンでも使われるから「フリーメーソンに入れ」というメッセージかと思うが、VIPでもない私が何故だろうと疑問に思った。メーソンには様々なバリエーションがあるらしいし、入会をあまり真面目に考えた事はない。モートはどんな組織にでもずけずけと入り込んで自己流に作り変えるから、フランスのフリーメーソンは本来のメーソンとはかけ離れたものではないだろうか。最近放送されたNHKの番組でノートルダム寺院の再建を特集していた。私は予言者ではないが、ノートルダムは再び燃えるだろう。それが嫌なら警戒を厳重にして入場者をモート族かシチリアン・マフィアに限るべきである。マリアのオカズにされたことを恨む NFフランス人は多いのだから。

 ベルギー、オランダも彼等のドメインである。アトミウムというモニュメントがブリュッセルにあるが、フランスのロスチャイルド家はベルギーを分家に利用して世界一の原子力帝国を作り上げた。フランスのロスチャイルド男爵、ベルギーのアンパンマン男爵(パリの地下鉄第一号を作った)とランベール男爵(銀行家)を合わせて原爆男爵三人男と呼ぶのだそうである(P-749下)。なんでそんなに原爆を作りたがるのか?ブリュッセルにはEC本部とNATOの本部がある。アメリカはNATOのメンバーであるが、NATOの本質に気付いているのか?騙されているのではないか?
 オランダと言えばダイクと風車とチュ-リップとレンブラントと飾り窓の女で、麻薬の取り締まりは緩く自己責任である。この国はロッテルダムにあるシェル精油所によって国家そのものを石油総本山としてロスチャイルド家に捧げて来た。アントワープはダイヤ産業の中心地でありワールド・ダイヤモンド・センターがある。スマートなオランダ人の一人当たりの年収は日本よりはるかに多いそうである(P-692下)。「オランダは国王も警察もしっかりしていて良い国だ。一度キューケンホフにチューリップを見に来てくれ」と言われていたが、この本を読みながら「あれは嘘だった」と気が付いた。

 スイスには大手から個人銀行まで歯医者の数と同じ位銀行がある。ヨーロッパは戦争を繰返す地域だからもし自国の銀行に財産を預けておいて国が戦争に敗けると全部敵に没収されてしまう。そこで永世中立国(ネイサンの死の21年前の1815年ウイーン会議で認められた)であるスイスの銀行に預けておけば終戦後無事に預金が引き出せるという算段である。ナチの時代ゲシュタポがお金を持ってユダヤ人の名を騙ってとある銀行に預金しに行った。もし受け付けられればそのユダヤ人の口座が当該銀行にあることが分り、そのユダヤ人の預金はゲシュタポに没収された。これに懲りてスイスの銀行は個人名は一切使わず口座番号だけで預金の預け下ろしを扱うことにした。銀行の口座のリストを見ても口座番号と預金の残高が載っているだけで、何番が誰かは銀行も記録に残さないし知っていても言わない。預金者が貯金を下す前に死ねば銀行のものになることを筆者は危惧しているが、ふつうは妻か子供か兄弟か信用のおける知人に「私に万一のことがあればスイスのXX銀行のこの口座番号で預けてある預金をどうこうしてくれ」と言い残しておくだろう。あるいは秘密の場所にメモを残しておき限られた縁者知人にメモの存在を教えておくかも知れない。口座番号だけで出し入れ出来るからマフィアのマネー・ロンダリングに利用される危険があるということだが、それは口座が出来た後の話で、口座開設の時には加入者の本人確認と彼の社会的信用度は厳しくチェックしている思う。この点で私の見解は筆者と違う。しかし独裁者というものは自国で特別に強力な権力を握っている者で違法者ではないから筆者の列挙する(P-934)ような人物が口座を持っている例はあるかも知れない。口座が出来たあと振り込まれるお金がきれいか汚いかは元より調べようがない。戦後ナチの隠れ資産を没収しようとスイスの銀行にアカウントの公開を迫ったのがロスチャイルドの代理人でアメリカ財務省調査官のモルゲンソーJrだったが要求は通らなかった。「アウシュビッツで殺されたユダヤ人の財産を返せ」と迫ったイスラエルの要求も拒絶された。このことから「スイスの銀行はロスチャイルドのものではないと思われる」と筆者は言っている(P-932下)が事実であろう。しかし筆者が「スイスは麻薬と武器と裏ビジネスに手を貸している(P-955下)」と断言しているのには若干の疑問を感じる。

 映画「サウンド・オブ・ミュージック」でナチズムに反対するトラップ一家はアルプス越えしてスイスに亡命した。「武器よさらば」でもイタリアでの戦争に嫌気がさした主人公は妻と共にボートでスイスに逃れた。四方をフランス・イタリア・オーストラリア・ドイツに囲まれたスイスは亡命者の寄り集まる所である。グッゲンハイムのハイムはオランダ語でHouseの意味だから一族はオランダからの亡命者と思われるが彼らが亡命した理由は何だろう。共にユダヤ教に関係しているグッゲンハイム家とメンデルスゾーン家はスイスで婚姻関係を結び、金貸し業で財をなした(P-940上)が、縁者の一部がスピンアウトしてアメリカに渡りスイスから刺繍を輸入してその商売でも成功した。スイスの婦人たちが丹精こめて編んだ刺繍!何と綺麗な商品だろう。悪人が扱うのに似つかわしいとは思えない。アメリカでグッゲンハイム家がコロラド州からユタ州にかけて鉱山の開発でも成功した話は後述する。亡命者が受け入れられるには当然審査があるだろう。スイスにその名もロスチャイルド・コンティニュエーション・ホールディングスという銀行があり一族のすべての金塊を保持している(P-950下)が、ファミリーはスイスにいないそうである。「スイスにナノワイヤーなぞ持ち込まれては困る」という話を聞いたことがあるがそのせいかも知れない。ヨーロッパでナノワイヤーの話を聞くのは珍しい。この本でスイスの三大銀行の一つとして紹介されているクレディ・スイスはロスチャイルドのバックアップで1856年に設立されたが最近経営不安のニュースが流れた。

 戦後GHQが日本を統治するに当たり最初にしたことは財閥解体であった。1946年に発表された基本的見解では「財閥は日本特有のもであって類似するものはロスチャイルド以外にないが、ロスチャイルドは現在存在しない」と書かれていた(P-712下)。アメリカにはモルガンやロックフェラーといった新しい財閥が育っていたがこれらは旧い体質の財閥とは違うと言う訳である。筆者はこれを甘い判断だと非難している。現にネイサンの血を引き継いでいるアンソニー・ロスチャイルドが隣国のカナダで日本の3分の1を超える広さの土地を買取りウラン鉱山の事業に乗り出していたし、今日のヨーロッパ原子力産業の骨格はほとんどロスチャイルド家によって作られていた(P713-下)。そしてフランスとイギリスのロスチャイルド家はカナダ・オーストリア・南アのウラン鉱山を握りダイアモンド・カルテル、金塊カルテルと同じようにウラン価格を支配するウランカルテルを作り上げた(P-714下)。アメリカにはJPモルガンの孫ヘンリー・S・モルガンが動かすウラン・カルテルがあった。グッゲンハイム家は鉱山開発で利益を挙げたが、アメリカにウランブームが起きてユタ、カリフォルニア、ネバダ、コロラドでウランが発見され、ブームの波が身近に迫って来ると鉱山の仕事から手を引いてしまった。これがモルガンを自分の仲間と見て彼らに協力し鉱山を託したのか、モルガンのカルテルに支配されるのを嫌い彼らとはやって行けないと事業からおさらばしたのかは判らない。いずれにせよここでヨーロッパ系とアメリカ系の二つのカルテルの対決の場面になった。ではロスチャイルドはアメリカも支配しようと巨額の資金によってモルガン傘下のウラン鉱山を買収する動きに出るのかと思いきや、何もしなかった。そして結局はアメリカンカルテルもロスチャイルドのウランカルテルにすんなりと組み込まれた。現在はロスチャイルド銀行が世界のウランを動かしていて(P-715上)、リオ・チント・ジンクから逃れて原子力産業に関わる独立会社は存在しない(P-779下)。
 上巻で筆者は輪廻転生と思しき8例を示し、8番目に金融王ネイサン・ロスチャイルドが18367月にこの世を去った翌年にその財力を受け継ぐ(?)世界一の富豪JPモルガンが誕生したことを上げている(P-167下)。国籍もファミリーネームも異なる転生だが成る程この話は色々と辻褄が合う。この場合スイスの銀行がキーになるだろう。もし銀行名と口座番号(またはそれを記録したメモの所在)を「記憶」していればロスチャイルドの資金にアクセスできるのである。モルガンの若い頃の行跡を追うと、ハイスクール卒業後スイスの学校に進学してフランス語を習い、ゲッチンゲン大学でドイツ語を習い、ロンドンで学業を終了するなどネイサンの経歴そっくりの道筋を辿っている。父親が J.S.Morgan & Co.という銀行業をやっていたと言うことだが、モルガンは鉄道会社を統合再建し、海運トラストと鉄鋼トラストを組織し、USスチールとGEを生み出した。USスチールは第一次大戦で莫大な利益をあげた。彼の手法をモルガナイズと呼ぶそうだが、こんな数々の大事業の資金が銀行業だった父親の資産だけでこと足りたとはとても思えない。ロスチャイルドの資金の受け皿として父親の銀行は誂え向きではなかっただろうか。

 「一体彼らは何をしようとしているのか」という筆者の疑問に対し、「彼らはヨーロッパを乗っ取ろうとしている」と答えるのは的外れではないだろう。いや既に「ヨーロッパは我々のものになった」と言っているようである。最終的には地球全体の乗っ取りであろうが、ヨーロッパの次に狙うドメインは南北アメリカであろう。ロスチャイルド商会が南米で最大の投資をした国はブラジルである(P-911下)。私の家族の例に見られるように日本人も50%近くはモート族だろうし、イカ族もいる。筆者は気が付いていないと思うが、この本でも取り上げられた北海沿岸の国はイカ族の国である。その国出身の女優は若い時に綺麗だったが、私の父も先妻を初めて見た時「こんなにいい女がこの世にいるのか」と思ったそうである。美女は罠である。モート族と違うのは、父の先妻は死んで初めて自分がイカ族であることに気付いたらしい。モート族とイカ族はタイアップしている。
 「二種類のユダヤ人」の項の末尾に書いたように、霊界で北関東の都市に原爆が落ちた。その後日本では函館にも観音の国「南国」にも埼玉(江戸川べり)にも落ちた。「南国」がどこにあるかは私も知らない。今まで書かなかったが仏教で観音だけは人間救済に尽力していた。イカ族にとって観音は敵だったから南国にも原爆が落ちたのである。日本で宗派を開いた仏教の宗主は死ぬとすぐにインドに連れていかれ、イカ族にバズーカ砲で脅されて変節した。だから空海や日蓮の書いたものを有難がって読んでも救われないことを認識すべきである。原爆投下の指令はヨーロッパのある企業の本社が出したのであるが、北海沿岸のイカ族の国もその傘下にある。モスクワにも原爆が落とされたらしいし、アメリカでもカリフォルニアやミネソタ(丁度イギリスでチャールス新国王の金ぴかの戴冠式が行なわれていた時)に落とされた。この事に気が付いた者も多数いると思う。彼等がウランに執着する理由が分かるだろう。この世でなされたことはあの世でもなされている。この他の都市にも落ちたようだが、ブラジルには落ちなかった。
 どうして急にそんな事態になったのかと疑問を持つと思うが、戦いはずっと続いていたのだった。それは日本ではMNNNの戦いだった。MNはモートとイカ族を含む。NNは native な日本人であるが、人の子に限らずサル族もイヌ族もブタ族その他も含む。彼らも元々は人間だったが日本では仏教の裁きによって動物に落された者が多い。特にサル族は勇敢で役に立った。これまでモートは種族のトップを自称していた。彼らが差配するルールは出鱈目で、食べ物の場合生まれ変わりに支障が出るからあれは食ってはいけない(魚介類や肉類)、あれは食べても良い(例えば大根)というのも嘘ばかりである(これは仏教でも同じである)。配置換えでシャッフルされて一緒に来た仲間ともバラバラになる。あれはお前たちの敵だ、というのが実は味方である。我が家の例がそうであるように、家庭の中でも敢て種族を混交させ、その中でモートは他の者を「奴隷ども」と呼んで「言われた通りにやれ」と支配し、穏やかな心の通い合う円満な家庭なぞ決して出来ないような仕組みにした。モートは犠牲を求めるが、私の仲間の女が「次は私の番か」と障子の影で震えていたのだった。戦いは日本をブロックに分けて行われた。モートの優勢なエリアは東海道線沿線で、横浜にも神戸にも元町がある。神奈川は集まりが悪かったが、その理由は私を「あいつは悪魔だから従うな」という噂をばらまいた者がいた。昨今はモートのエリアは東京から北の方へも広がっていた。モートの別名を言えばある地域がその中心だと分かるだろう。NNはもうこれが最後の機会だとMNに対して戦いを挑んだ。女も健気に髪の毛を切って一緒に戦った。イスラムは日本での戦いを見てその健闘ぶりに途中から力を貸してくれた。その結果NNグループの優位がほぼ決まり、MNグループは期限付きで立ち退きを求められている。原爆はその置き土産である。この件がどうなるかまだ未確定である。
 序でに言うと仏教には餓鬼道という独特のランクがある。餓鬼道の子らの出自はもとは人間だったかも知れないが、むごい仕事を強制されて既にまともではなくなっているのは一目見れば分かる。貴方が仏教徒で人間なら、仲間の子供がイカ族によって餓鬼道に落されているかも知れない。あまり朝ドラは見ないのだが、大分前に放送された村岡花子の物語は少年時代に赤毛のアンを読んだ記憶がなつかしくて欠かさず見た。あのドラマに出ていた当時若くて愛らしい丸顔の女優が夢に出てきた時、後ろに付いているのが悪魔といってもいい悪童だった。もし彼女に「貴女には悪魔が付いている」と言えば「冗談ではない」と怒るだろうが、知らない方がいいというものではない。このブログのトップにガバメントのガイドラインを載せたが最近まで招魂社の何が問題なのか分からなかった。答えは「招魂社はイカ族の領域」だった。戦没者慰霊で僧侶が線香を炊いて経を上げるからそう事になっているのだろうが止めた方がよい。Youtube にイカ族の登場する動画があるがイカ族とはこの事かと(或いはこれは一体何だろうと)と思った人も多いと思う。

 この本は情報量が豊富で圧倒されたが多くのことを教えられた。しかし筆者の意見にそのまま従えないこともしばしばあった。ドゴール将軍がいなければ誰がレジスタンスの指導者になったのだろうかと思うし、コール首相のリーダーシップなくして東西ドイツの統一はすんなりと成し遂げられなかったと思う。ドゴール将軍が軍人として上層部の指令に逆らえず植民地に与えた被害も、彼自身の判断で指令を無視したり手抜きすることは出来なかっただろう。大統領になって最高の権力を得た時コミ・デ・フォルジュ---この兵器会社シュネーデルとヴァンデルによる委員会が首をタテに振らなければ大統領も首相も一切決断できない(P-736上)---の思惑にも拘わらずアルジェリアの植民地解放と民族独立を認めたのだった。コミ・デ・フォルジュも後になって大統領の決断を覆すことは出来なかった。ドゴール主義とは独裁的にことを進める一種のファシズム(P-613上)と見るのはコミ・デ・フォルジュの側に立った見解であろう。
 分断国家を見るとベトナムは統一のために悲劇的な戦いを経なければならなかったし、南北朝鮮は戦争を経たあとでも統一することなく緊張状態は続き、今もそれは緩和する見通しも立たず世界に不安を与えている。中国の分断はこれらとは別で国共対立の延長であり自分たちが原因である。コール首相がイランゲートで疑われても(P-929下)彼の私利私欲のない情熱によって推進された平和的な統一に対する功績は評価すべきだと思う。私も話が大きくなってこれまでの常識を塗り替えるようなことを言っているが、何かでドジを踏んで全体の信用を損ねることがないよう注意しなければならない。
 最大の見解の相違は「もっと厳しい戦後が訪れるべきであった(P-869下)」という日本の戦後処理観である。トルーマンは東京を含め3発目・4発目の原爆投下を計画していたらしいがそうはならなかったのも、ソビエトロシアが北海道を分割統治するプランがあったがそうはならなかったのも、日本にとって幸いだったと思う。米軍指導部は日本軍の航空母艦に対するカミカゼ自爆攻撃にショックを受け原爆投下を決意したそうだが、帝国軍人は「醜の御楯」となって天皇中心の国体を護持する精神を注入されていた。トルーマンは日本人の精神を慮って天皇の地位を象徴として残し国を二分することにも反対したのではないだろうか。ノイマンは京都を原爆投下の候補に上げた。それまで京都は大した空襲もなく京都の神社仏閣はほとんど無傷だった。それは「文化財を保護する」ためだったという説があるが、交戦国の文化財を心配するなんておかしな話である。ノイマン説は拒否されて京都は原爆投下の候補から外されたがノイマン説を却下したのはオッペンハイマーかも知れない。ドイツ出身のロスチャイルドファーミリーとして12の名前が上がっている(P-925上)中にオッペンハイマーの名もある。彼は京都にいるイカ族のことを心配したのではないだろうか。

 私は日本のロックフェラー系の石油会社に奉職し今も企業年金を受け取っている人間であるから、石油業について他の業種の人よりもいくらかは詳しいと思うので以下書き加えたい。ドイツモービルが SS(サービスステーション)に売る石油製品を不当廉売してロスチャイルドの怒りを買ったという記事があったが、原油価格の違いを除けば石油製品は輸送コストと貯蔵コストの違いで価格差が生まれる。石油の値段は基本的に貿易で言う FOB Price で石油販売会社の店頭(SS)渡し値であり売り手が運賃を負担するから、製油所から SS へ直接運べば値段は一番安くなる。この場合も近ければ近い程運賃は安く、また貯蔵コストもかからない。製油所から遠い地域であればいったん油槽所に運んで貯蔵し、そこからSS まで運ぶことになるが、その場合製油所から油槽所までの転送コストがかかるし、油槽所の建設費用や維持にコストがかかる上に石油製品を保管するために必要な安全管理や在庫管理上の貯蔵コストもかかる。だからある地域にドイツモービルが製油所を新設してそこから周辺の SS に直接売れば他の石油会社より競争力のある価格設定をすることが可能だっただろう。更に言えば、多数の SSを持つ石油販売会社が自分でローリーを持っていて製油所(または油槽所)まで取りに来れば販売価格のうち運賃相当分を値引きしなければならないし、販売数量に応じた Volume Discount もあるだろう。
 私の会社の場合原油を買って日本に届けるのはワールドエクソンまたはワールドモービルで我々は関係なかった。原油は東亜燃料に売られ、エッソとモービルは製油所で分留された石油製品を東燃から買ったのである。東燃の株は50%がマーケットで取引されエッソが25%、モービルが25%を持っていた。しかし2000年にExxonとMobilが合併しExxonMobilになって日本の法人も一緒になった。この時私は希望退職した。その後で日本の ExxonMobil は株と資産を東燃に売り日本から撤退した。この2者にエッソの子会社であったゼネラル石油を合わせて東燃グループが出来た。しかしこれも日石グループと合併して今は ENEOS になった。
 石油製品はハイオクから重油・アスファルトまである。ガソリンをヒーターに入れて燃やすと爆発して事故になるし灯油を自動車に入れても走らない。ヨーロッパの普通車はハイオクか軽油仕様であるが日本車(乗用車)は多くはレギュラーガソリン仕様でヨーロッパにも輸出されている。こうした石油製品の共通規格の作成をリードしたのが Standard Oil Co. で例えばハイオクをモービルSSで買ってもシェルSSで買っても、値段の違いはあっても品質は同じものでなければならない。Standard とは標準規格のことで、これを決めるに当たっては石油会社が共同で協議し各社了解したであろう。ビールのように各社でアルコール度数が違うという訳には行かない。Standard Oil Co. は大きくなりすぎて1960年頃アメリカの独禁法違反で分割され日本ではエッソとモービルになった。エッソとは Standard Oilの頭文字を略した名前である。
 石油危機の頃は今はない丸善・大協・共同・三菱などを含め今より石油会社の数はずっと多かった。そして定期的に社長会が開かれていた。その会合で、急上昇した石油価格対策の話題になり(いやならないうちに)値段の「ね」の字が出るやエッソとモービルの社長は「我々は帰ります」と退席した。だから石油危機時の価格カルテル疑惑で公取に訴えられた石油会社の中にエッソとモービルは入っていなかった。通産省の指導により各社ともある日付以降の出荷分に対し一斉に値上げが認められたが民生用灯油は値上げを抑えられ、売れば売るほど赤字が増えた。2022年度の ExxonMobilは最高の利益を上げたがこれはロシアのウクライナ侵攻が原因で思いもよらないフロックであった。