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これは一人のマイノリティーが書いた自分自身とこの国の救いなき来世についてのレポートである。W.ジェイムスは労作「宗教的経験の諸相」で“超感覚者は無敵である”と言ったが果たしてそうだろうか。この時代、むしろ私は“常感覚者は巨象である。我々はその足に踏み潰されないよう必死に逃れる蟻のようなものだ”と思う。しかし今、孤立の怖れを捨てて私はこう叫ばねばならない。

“人々よ、長い眠りから目覚めよ。無知の麻薬の快楽に耽るな。そしてこの警告を受け入れる人々に神の恵みあれ。”

赤い楯(上・下)

 私はこのブログで宗教に関する記事を書くつもりだった。だから主にキリスト教に関する宗教学の本を、新旧とり交ぜ出来るだけ手広く読まねばならないと思っていた。しかし「赤い楯(上・下)」を読んで、如何に近・現代史の知識が今日の宗教の理解に重要であるかを痛感し、認識を改めた。その意味でこれは画期的な本だった。ただし筆者と私と見解が大きく分かれる点がある。ロスチャイルドが敵・味方両方に戦費を融資したのは、武器取引の増大によってより多くの利益を上げるのが目的というよりは、人間を戦争で対立させて同志討ちに導き、共倒れさせる狙いがあって、その方が彼らにとってより意味があることだったのではないか、という点である。

「赤い楯(上)」
フランス
 前項で私自身の家族の種族について書いた。それを読んで「そう言えば自分の家族でもそんなことがあった」と古い記憶を蘇らせて同感した人は日本中あちこちにいて、それぞれの仲間内でこのテーマが話題になったようである。マリアの胎内の子が婚外子であることを知りながらイエスがその胎児に宿ったのは、それによって彼がどんな幼児体験をするか、自らその子供になり実体験を通して確かめたかったのだと思う。イエスはマリアの正体を知っていたし、彼女に宿って生まれるのにはどんなルートを通して話をつけなければならないか、また了解を得るには相手方の提示するどんな要求に応えなければならいかも、事前に調べて手を打つ必要があった。私の場合カナモト(多分この姓からするとコリアンだと思う)という仲介者に「日本人に生まれたい」と相談した所「どうぞ来て下さい、歓迎しますよ。金沢にいる法華の信者に男の子が出来たのでどうですか」と母を紹介されたのだった。勿論カネも絡んでいた。

 懐胎した女親にどんな種族をアサインするかは宗教が決める。フランスはカトリックでマリア信仰の中心だからマリアはどの家庭にでも出入り自由である。ほとんどのケースでマリアは胎児に優先的にモートを宿させただろう(こうして生まれるフランス人をMFとする)。イザベルという子が持てるだけの宝物を持ってマリアの元へ行き「人間になりたい」と頼んだが「何度来ても無駄だ」と拒絶された。こういう話は掃いて捨てる程ある筈である。フランス人の通常の家庭であって、両親が二人共人間(これらをNFとする)であったとしても、たった一人でもモートの子が混ざり込めば、親子の序列に拘わらずその一家族単位でモートは「奴隷ども俺たちの言う事を聞け」と言い始めるのである。親も子も複数の付き人を伴うから一家には合計すればかなり多数の付随霊が一緒に暮らすことになるが、その中で一人でもモートがいればヘゲモニーを握る。恐らくこれに抵抗出来た例はなかったのではないか。親も子も含め家族全員がすべてモートになってしまう方がむしろうま味がなくなる。子供のうち一人か二人を人の子にする(マリアが新たな胎児に人の子をアサインする)方がモートにとってメリットがある。なぜならその新生児(NF)の付き人に人の子が訪ねて来て同居するから、その NFの子のために来る来訪者が犠牲の対象になるのである。こういうことを繰返していけばフランス国民の中でMFは増える一方で片やNFの数は反比例的に減少するのは明らかだろう。F・アルダンは片道切符は覚悟の上で人間になり「さすがに本物は違う」と言われて泣いたそうだが、仲間には「誰も来なくていい」と言い残してやって来たのではないか。しかしそういう訳にはいかないシステムがある。

 両性具有はモートの特徴である。ボーボワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉は、女は生まれる前には女ではなかった(つまり男であった)が人間になるとき女になったか、もしくは女でもあり男でもあった(つまり両性具有であった)が女になった、ということを意味していると考えらえる。前者は最近はやりの表現でトランスジェンダーと呼ばれ、通常それを意識している当人は男が女の身体を得た(またはその逆の)ことの違和感に煩悶するが、彼女の言葉にネガティブな戸惑いは感じられない。もし両性具有であれば、男になるか女になるか二つに一つであって、女の身体を恣意的に選んだのだろうから結果を受容している。またサルトルが「存在は本質に優先する」と言うのもモートが常日頃意識していることであって、面向き人間として存在していることが強味であり、彼が本質的には人間ではないという秘められた真相よりも優先することを表現しているのであろう。あるフランス人の男性が「私は男・女・男と3回生まれ変わった記憶がある」と言っていた。一般的には自分の転生履歴を覚えている者はいないし親が子に過去生を教える訳でもない。我々は人間になる時記憶を消されるが、彼等だけその段階を免除される訳ではないだろう。そうであるなら、忘却の河のステップも人間には有効であるが彼等には効かないのではないだろうか。あの世にも学校はあるのだから、前世記憶のある方が若い時の知識量を競う受験競争には絶対的に有利である。

 ドレフュス事件で軍は世間の反ユダヤ主義的風潮に同調し、漏洩した機密文書の筆跡が似ているからという理由でユダヤ人ドレフュス大尉に責任を転嫁したが真犯人は別にいた。ドレフュス大尉はNJであり、反ユダヤ主義者が目の仇にする阿漕なユダヤ人ではなく清廉な軍人であった可能性が高い。時折燃え上がるフランスの反ユダヤ主義もユダヤ人の中にMJとNJの区別があることを重視しなかったのであろう。ドレフュスの出身地はブルグンドで現在はフランス領であるが、アルサス・ローレン地方は独仏間の紛争がある度に奪いまた奪い返される地域である。自己流の記号に国籍を加えればドレフュスはNJFということになる。ゲットーに相当するものがフランスにあったかどうかは余り語られないので分らないが、この本が紹介している『アルザスのユダヤ人』(p-457)という本によれば16世紀に西ヨーロッパ全土で追放されたユダヤ人がアルザスに集結し、”ユダヤ人アルザス国家”のようなものが形成された時期があったそうである。このブログの「フランス旅行」の項目でブルグンドを訪ねたことを書いたのを読み返して感傷に浸った。あれはいい旅行だった。幸いにして戦火を逃れた街並の古い建物は手入れが行き届いて保存状態も良く、あちこちにきれいな花を咲かせた花壇があった。
 マリマ信仰による陥穽に加えて、アムシェルの五男ジェームス・ロスチャイルドを筆頭とするMJディアスポラ群の流入は、どういう事が起きているか何も気付かないが彼らがもたらす経済的利益に魅せられたフランス人に受け入れられて混交し、NFフランス人の減少を一層加速させた。もしフランス人が彼らと婚姻関係を結べば同じ事が起きるのである。ミラボー橋は希望を失った少女たちが身投げする自殺の名所であった。1954年に公開されたマリナ・ヴラディ主演の「洪水の前」という映画が記憶に残っている。これらの結果「二百人家族」と呼ばれる(p-501下)フランス国立銀行株主を中心とするMFおよびMJFのゲゼルシャフトによって創出された、まるで首まで汚水溜めに浸かっているようなこの国の惨状は下巻に詳述されている。報道によって原子力利用の負の側面は隠蔽される。チェルノブイリの事故でヨーロッパ全土に死の灰が降り注いだ時、食品産業の支配者の意向を受けてフランスだけは食品が安全であるという偽りの証明なされ、フィガロは原子力発電と汚染された食品の危険性を報道せず(p-420下)、「タヒチでは癌と奇形児が激増している」という報告にも拘わらずル・モンドはムルロワ環礁での核実験を支持し(p-421下)、カンヌ映画祭では評判の高かった今村昌平の「黒い雨」がル・モンドにより酷評され選外に落された(p-421上)。1989年10月スペインのヴァンデロス原子炉一号機でタービンが爆発し第二のチェルノブイリ事故を招く寸前まで行った。タービンの製造者はフランスの兵器会社シュネーデル・グループだった(p-426上)が、この件は日本では余り知られていない。下巻の編集後記で筆者は「フランスに自由はない」と言っている。

 長いフランスの歴史の中にはマリアの目を盗んだか、うず高い貢ぎ物をして承諾を取って人間になり、少しでも洪水をせき止めようとして働いたNFの英雄がジャンヌ・ダルクやナポレオンだったのであろう。ナポレオンが皇帝になる戴冠式の時、司祭の手からではなく自分の手で頭に冠を載せたのは意味のあることだと思う。ルイ王朝が堕落の極みに達し国民に見放されたのは止むを得ないことと認めた上で、王制が駄目なら帝政で行こう、という訳である。しかしそれも長くは続かなかった。この本の筆者はドゴールに対し厳しい採点をしているが、私はドゴールも難局に出現した救国のNFの一人ではないかと思う。最近の動きとしてイタリア下院の総選挙で女性のジョルジャ・メローニ党首(45)率いる反LGBTの右翼・イタリアの同胞(FDI)が第1党となり、フランスでも女性党首のマリーヌ・ルペン率いる極右・国民戦線が躍進した。ヨーロッパの新しい変化の兆しに期待する所だが宗教について警戒を要すると思う。タイタニック号の転覆(第一章にタイタニック号の顛末を書いた節がある)もノートルダム寺院の炎上も天の差配であったと思う。

イギリス
 筆者はフランクフルトの”初代ロスチャイルドが生きた時代(1744~1812)には通信手段として郵便しかなかった”と書いている(P-33下)。当時まだ電話も電信もテレックスもなかったと言いたいのだろう。しかし彼等には一般人が知らない特殊な伝達手段があった。モート族の6割くらいは私と同じ倍数体(ダブルバイト)だそうである。この能力は人間同士であればテレパシーであるが私が言うのは人間と霊とのコミュニケーションである。霊界とは誰が何をしているかツーカーの世界である。ただしこの手段による情報伝達はあやふやな面があるからそれを補足するために郵便で確認する方がよいのは勿論である。両替商の初代マイヤー・アムシェルはこの能力でヴィルヘルム9世がコインのコレクターであることを知り、そこに商売の糸口を見出して珍貴なコインを買い集めヴィルヘルム9世を訪問セールスしたのだと思う。ロンドンに来たのはマイヤー・アムシェルの三男ネイサンであるが、英国でインテリジェンスと呼ばれる諜報機関が発達したのにもこうした背景があったと思う。インサイダー情報なぞ何の垣根もない。彼らは私に比べてはるかに組織化された連絡網を持っていると思うが、私の場合は「誰かがこのブログを読んでどう言っている」程度の情報が耳に入る。しかし私に何かを言うランダムな声の主はしばしば手の込んだトリックを仕掛けるので決して無条件に信用しないよう警戒しているが、それでも引き摺り回される。彼らに備わっているこうしたスピリチュアルな能力、す早い他言語取得技術、両性具有の性殖器官、ナノワーヤー等の先端技術、秀でた前世記憶力等々は、彼らが我々とは全く違う生態系で生まれ進化した生物であることの証であると考えてよいであろう。
 モートを意味するデミウルゴスという言葉は検索すると「古代ギリシア語で職人・工匠を意味しヤルダバオートと同一視される」と書かれているが原語では何を意味するのだろうか。デミとは「小さい」の意味で間違いないだろう。南米にウルグワイという国があるが、その国にはカワセミのようなミズドリが飛び交うきれいな川が流れていた所からこの国名が付けられたということである。従ってウルゴスとは飛ぶことと考えれば、デミウルゴスとは「小さな飛来者」と理解してもよさそうである。モート族の体形は小さいから地球にやって来るUFOも小型であろう。上述の通り職人・工匠とは金銀などの埋蔵物を掘削し加工するエンジニジアのことであろう。トロヤ小惑星群が中をくり抜かれてがらんどうになっていたように土木や穴掘りは彼等の得意技で、埋蔵物に人一倍強い関心を持っている。モート人エンジニアが乗った小型宇宙船がマッカーサー号と最初に出会ったのもエンジニアがマッカーサー号を役に立つ金属の塊りと思って近づいて来たのがきっかけだった。地球で彼らがもといたジンバブエは今でも南アに次いでアフリカ第二の金生産を誇る(p-112・上段)。彼らの組織は先天的に身分と職能が決まっておりエンジニアは彼等全体の中の一部に過ぎないが、彼らが地球に招かれた(またはやって来た)第一の目的は採鉱だったのだろう。アガルタやシャンバラと呼ばれる伝説上の地下都市は彼らのもので、ギリシャ旅行に行ってアガメムノーンの墓とされる暗くて長い横穴を見て驚いた人も多いだろう。彼らはノアの洪水以前に既に地球に来ていたが地下の住居のおかげで洪水を凌いだのではないだろうか。エンジニアの後続いて諜報とバンキングとネゴシエーションのスペシャリストが来て商才を発揮したことも間違いあるまい。マリアは元を質せば彼等の原父ヤルダバオートの妻エンノイアであった。

 A.トインビーが「21世紀は中国とディアスポラの時代になる」と予言していたのを読んだことがあるがイギリスにゲットーはあったのだろうか。読んだ時将来中国が強大になるのは分かるが、どのようにしてディアスポラが今世紀に躍進するのか分からなかった。今日彼等がヨーロッパを支配し、アメリカでもディープステートと呼ばれるグループを形成しているのは衆目の認める所である。筆者は”ロスチャイルド財閥とユダヤ人を混同しないように(上・P26下段)”しなければならないという基本的な問題意識を抱えているがその違いが何から来るのかは明示していない。それを MJ or NJ で区別するのが私見であるが、その同定は結果論的に出来るとしても具体的に個人または集合体を何かの特徴に基づいて識別するのは至難の業であろう。
 ジェームス・ゴールドスミスの「私はユダヤ人に対する時はカトリックである。カトリックに対する時はユダヤ人である」と言う言葉が引用されている(p-28下)。これは宗教的に彼が本来のユダヤ教徒でもないし、またクリスチャンでもないこと、形式的にユダヤ教典と旧約聖書は違うが両者は同じ根で繋がっていること、更にカトリックが尊崇するペテロは自分と同類のMJであることを意味するだろう。ネイサン・ロスチャイルド(1777/09~1836/07)と、英国保守党の議員となり首相を務めたベンジャミン・ディズレーリ(1804/12~1881/04)は、ディズレーリが20才の時ネイサンが47才だったという関係になる。ディズレーリは若い頃かつてイスラエルで多数派だったサドカイ派に近い英国教会に改宗したが、当時今を時めく存在であったネイサンを望見しつつ彼を強く意識していたであろう。ディズレーリが持っていた「自分は貴種である」という自意識は彼自身は本物のユダヤ人(NJ)であるが、片やネイサンはユダヤ人に紛れ込んだMJであるということを暗に含んでいた。ディズレーリの名言集にある「嘘には三種類ある。嘘と大嘘、そして統計である」という言葉は何を意味するだろうか。モート族はこの世を地獄と思わせて行く気をなくさせ代わりに自分が行く。自分にとって都合の悪い者を人々に悪魔と喧伝する(最近私もあちこちで悪魔呼ばわりされているらしい事を知った)。犬は熊に対してさえ勇敢に立ち向かう狩人の仲間であり、極地では人間と荷物を乗せて重いそりを引き、家では番犬として忠実に飼い主に仕え、また盲導犬としても人間を助けてくれる役に立つ動物であり、長らく人間と共に暮らして来た良き友達だった。にも拘わらず、モート族がイスラエルに来るはるか昔にいたギリシャで「犬は地獄の番犬ケルベロス」と表現し、私もそれを真に受けて騙されていた。名前を言うことは出来ないが犬族のよく知られたある男性は極めて優秀であったし、帝国ローマの歴史は犬族で支えられていたと思う。イエスが信心深い犬族の女をほめる場面がある(マタイ15:28)。霊界で何も知らない異星からの渡来人にこの世で最も理想的な国は北朝鮮であると嘘を教えている。悪魔の長はジブラルタルにいる猿であると言うのもガセネタである。加えて聖書を書き替え歴史を歪曲するような大嘘もある。統計の嘘とは人口に関することであろう。世界中でユダヤ人の数が数字の上ではおよそ1500万人いるとしてもそれは反ユダヤ的なMJも含めての数字である。
 イギリス人がネイサンの商才を認めてビジネスで手を組むだけならいいとしても、彼または彼の家族と婚姻関係を結ぶのは恐ろしい罠であるとは誰も気付かなかった。男がネイサンの家系の女子を娶って結婚生活を始めるや否やモートはその家庭のヘゲモニーを握り、夫の付き人は犠牲を捧げなければならなくなる。その妻が妊娠すればフランスでマリアが胎児にモートの子を送り込むのと同じ事が起きる。逆にイギリス人の女がネイサンの家系の男子に嫁いだ場合も新婚家庭で同じ悲劇が起きる。しかし娘の父母も娘本人も何が起きているか気が付かない。もし婚姻の相手がディズレーリまたはその子の場合そういうことはなかったであろう。イギリスにMJの住民が増えるに従って人の子は来なくなるか犠牲になるかで減少し、1948年にオーウエルが気付いた時にはすべてが手遅れだった。

 イギリスはエリザベス1世の頃海賊王国と呼ばれたが、地上でも埋蔵物を求めて世界各地を荒らし回った。インドを舞台に”どれほどおそるべき欲望と利権があってもこれほどすさまじい世界はあるまい”(p-184下)と筆者をして言わしめる強権的支配と簒奪が行われた。カルカッタは金とダイヤの古い産出地であった。埋蔵物に敏感に鼻が利くモートの影が見え隠れするがインドの歴史にモートは出て来ない。むかし強欲な人物を表現するのに「他人(ひと)のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」という冗談があったがイギリス人の振る舞いはこのジョークを体現している。採鉱することを英語でmining と言うが、「俺のものにする」というのが語源だろうか。「恐怖の報酬」という映画で液状のニトログリセリンを運ぶのがどんなに危険かを描いていた。ノーベルがニトロを火薬にして運搬時の不安を解決したのは1837年だったがそのために戦争が悲惨になった。イギリスの東インド会社は1600年から1874年まで存在し金・ダイヤ・紅茶だけでなく奴隷貿易が隠れたビジネスだった。火器の優位性がイギリスの横暴を可能にしたのだろう。セポイの反乱(1857-1858)は野火の如く広がったがイギリスを撃退するには至らなかった。歴代のインド提督は皆成金になり帰国すると爵位を与えられた。インドはマハトマ・ガンジーの非暴力抵抗や第二次世界大戦のあとやっと戦後1947年に独立した。金とダイヤに加えてウランを産出する南アで現地人とオランダ人入植者を相手にボーア戦争を戦い、勝ったイギリスは1902年南アを植民地にした。その時活躍したミルナー幼稚園の悪ガキを育てたミルナーはガーター勲章勲爵士(KG)・バス勲章ナイトグランドクロス勲爵士(GCB)・聖マイケル聖ジョージ勲章ナイトグランドクロス勲爵士(GCMG)の栄誉を与えられて枢密顧問官(PC)となった。王室もグルなのである。ミルナーの出身地はドイツのギーセンでフランクフルトに程近い。かれもMJの一人ではないか。ダイアモンドのカルテルはデビアスであるが南アのダイア産出地の名前から来ている。アパルトヘイトによる差別と弾圧は1948から1994年まで続いた。セシル・ローズ(「神は世界地図がより多くイギリス領に塗られることを望んでおられる」)だけでなくイギリス全体が神と悪魔を取り違えていた。悪魔はイギリス人を操縦する方法を心得ていた。人道を外れた侵略の三つ目は中国でのアヘン戦争(1840/05)である。お茶が取れる所は芥子も栽培する。インドからアヘンが清国に売り込まれた。眠れる獅子と怖れられた中国だったが戦争に敗けて眠れる豚だと笑われた。アヘン王サッスーンが香港上海銀行を麻薬取引の足場にしたように、香港が東アジアにおける裏ビジネスの拠点だったことがこの本に詳しく書かれている。雨傘運動に同情する声もあるが、香港を取り戻すことは今の中国にとって必然の課題だったのだろう。

 第一次大戦の原因は複雑で大小様々な要因があったと思うが、欲を掻き立てて人間を同士討ちさせヨーロッパを乗っ取ろうと企むMJグループの狙いはまんまと思い通りに運んだ。中でも欲に眩んで率先してその尻馬に乗ったのが上述の通りイギリスだったのではないだろうか。筆者の注目するのは死の商人で、ノーベル、イギリスのアームストロング、フランスのシュネーデル、ドイツのクルップに新しくザハロフのヴィッカーズが加わった。この新会社の株を発行したのはロスチャイルド銀行であった(p-245上)。正体不明の人物ザハロフはユダヤ人という噂があったが嘘と謀略で(まさにMJのやり方である)時のすべての大帝国に巧みに武器を売り込み、彼こそ第一次大戦の元凶だったと言われる。こうして武器と部品は敵味方の国境を超えて取引され火薬庫に蓄積された。現実に戦争が起きれば彼らの商売はさらにウケに入り両側から引く手あまたになるのである。但し今回のロシアによるウクライナ侵攻は”軍需産業がある限り敵国同士がカルテルを結び戦争する(p-294下)”という論理の例外であろう。筆者は”ロスチャイルド=ゴールドシュミット一族が動かした(ザハロフの)ヴィッカーズ社とは一体何だったのだろう(p-248下)”と言っているが、この三人はMJ 三本柱であろう。この結果ヨーロッパは戦場となり、英仏露の連合国側が勝ち独墺伊の同盟国側が敗けた。パリ和平会議は主役を演じたアメリカのウイルソン大統領、フランスのクレマンソー首相、イギリスのロイド・ジョージ首相の三巨頭がいずれも兵器メーカーを強く非難して幕を閉じた(p-282上)。第二次大戦の主役は敗戦国ドイツであった。戦争の目的は勝てば法外な賠償金を帳消しに出来ることと、前大戦の誘因となったMJ 三本柱による謀略への報復であった。この三本柱の後ろにはロスチャイルド本家が二か所だけ残っているイギリスとフランスがいて(p-363上)、ドイツがポーランドに侵攻するや直ちに宣戦布告した。民族の違いが問題の本質と捉えるナチが第二次大戦で在欧ユダヤ人を目の仇にしたのは自然な成り行きだっだ。しかしNJにとってはとんだ濡れ衣だった。

  ”ユダヤ人絶滅”の宣言を耳にして、それまで計算ずくでナチス対策を考えてきたロンドンのロスチャイルド本家は目をさました。貧しいユダヤ人がロシアを追われてイギリスに流れ込んで来た当時は、それが人道的な意味でユダヤ人問題にすぎなかったが、いま海峡の向かい側で起こっている出来事は、自分の死を意味していた。ロスチャイルド家の一族も殺されるという事態である。ロシアから(イギリスに)続々とやって来るユダヤ難民を南米両大陸にふり分けて送る。そのための資金をさまざまなユダヤ人財団に与える、今までこのようにしてポグロムの嵐に立ち向かって来たロスチャイルド家であったが、「水晶の夜」の恐怖は、これから自分が殺される人間でなければ分からないものであった。ユダヤ人だけが知る戦慄の日が訪れたのである(P-359)。”
私は前項でMJとNJは接触せず別の道を行くように書いたが、ポグロムの危機に瀕した両者はロスチャイルドによる救済を求めて道連れとなってロンドンに集まって来たのだった。ロンドンのロスチャイルドがこれにどう対処すべきかは必然的に次の三選択のうちから一つを選ぶしかなかったであろう。
 ①一切誰も助けない ➁避難民のうちMJだけを助ける ➂避難民全員を助ける
もし①を選べば「諸悪の根源」は国際的ユダヤ資本であるというナチによる非難を正当化することになり世界中の風当りをますます煽るだけだろう。世界の常識にはないMJとNJの区別は実際上困難で避難民を篩にかけるのは不可能であり、もし彼らだけが知っている何かの特徴で選別するとしても、世界はどうして救われる者と見捨てられる者が出るのか納得しないだろう。だから➁を選ぶことは出来ない。苦々しいが結局➂を選ぶしかないというのが実情ではなかったか。
 第二次大戦でイギリスは勝ったが戦争指導者チャーチルに対する筆者の目は厳しく、”ロスチャイルド家の誠実な代理人で好戦家、これがチャーチルの最大の特質であった(p-378上)”と言っている。またイギリスはロスチャイルドのためにパレスチナでのイスラエル建国にも尽力した(p-479上)し、シオニズム(という言葉)はユダヤ民族の戦いなどではなく”ロスチャイルド一族のユダヤ機関”の組織活動を正当化する口実と見るべき(p-301上)とも言っている。さらに、イギリス議会がチェコスロバキアからの倍賞請求法を成立させ共産党政府がロスチャイルドに賠償金を支払う責任があることを認めさせ、莫大な金がロスチャイルドに支払われた。こうして国際金融家ロスチャイルドがナチスからも共産党からも倍賞を取り立てた(p-362)のはイギリスの後押しのお陰であった。「金銀ダイヤや名画などのあらゆる世界を支配するロスチャイルド家だが(3000年間誰にも発見されなかった)ツタンカーメンの墓が発掘されたのもロスチャイルドの遺産によるものであった(p-392上)」し「アルフレッド・ロスチャイルドの遺産を使ってイギリス人がナイルの上流にツタンカーメンの墓を発見したのは考古学的な学術上の関心によってではなくエジプトの財産を狙う私的な欲望の結果として発見されたのである(p-480)」という考察はイギリス人・ロスチャイルド・モート(MJ)・エジプトの関係性をはしなくも表している。

ロシア
 ペテルブルグに居を構えたグンツブルグという名のユダヤ人はロシアのロスチャイルドである(p-446上)。彼らはロマノフ王朝の御用商人であったが革命後も引き続きソヴィエトのパートナーとして対外貿易を担った。1989年の共産主義崩壊後エリツインの時代にグンツブルグは無力化し国有資産だった会社をただ同然で手に入れたのが新興財閥オルガルヒであるが、彼らは一人また一人とプーチン支配下で謎の死を遂げている。しかしアメリカにユダヤ人にとって最高位の存在であるギンズバーグ家があり筆者はグンツブルグの同系と見ている。ギンズバーグ家が中心となって全米のユダヤ人から集めた莫大な資金なくしてイスラエルは存在しなかった(p-450上)。
 1905年”シオンの長老の議定書”と呼ばれた怪文書がロシアの秘密警察によってセンセーショナルに広められた(p-463下)。ヒトラーもそれを読んだことがあったらしい。その文書によればユダヤ民族が世界征服を企てているというのである。筆者は捏造物扱いしているが、読んだ感想を言えば本物が持つ不気味なリアリティーに私は背筋が寒くなった。一つの可能性として、これを作成したのはMJであるが偶然手に入れて公表すべく手配したのはNJの誰かだったということは考えられる。ヨーロッパのモート化が終わり、次の目標は膝元のロシアということであり、今回のロシア・ウクライナ紛争の伏線ではないだろうか。

ドイツ
 ”ドイツ人はロスチャイルド家というとんでもないものを発明した”(p241-下)という表現には頭を抱えたくなった。モートという招かれざる客は行く所行く所で国を滅ぼし何食わぬ顔でその国の国民になりすまして変質させて来たのである。ジンバブエ、ギリシャ、エジプト、イスラエル、ヨーロッパ・・・モートがエジプトに行ったのはやはり金鉱が目当てだったのだと思う。カイロはイギリスの3C政策の拠点でありカルカッタ・ケープタウンと共に金の産出地だった(カナダでも金が発見されて4C政策になった)。しかし「エジプトでネズミが金を掘りピラミッドを作った証拠は何もない」と人は言うだろう。労働者として建築や土木や農作業で働くエジプト人の待遇は悪くなく奴隷の地位ではなかったと言われる。モートはこのようなエジプト人の中に入ていたのだった。創世記で夢解きのヨセフはファラオに気に入られ高い地位に就き、同胞をエジプトに呼び寄せた。そしてユダヤ人は大いに増えたがBC1450年頃出エジプトを敢行した。その理由は奴隷にされることを怖れたからということだった。しかしユダヤ人が奴隷として働く年季奉公の期間は過ぎていたから奴隷の地位に逆戻りすることはなかった筈である。にも拘わらず「奴隷にされることを怖れた」というのはエジプト人と同様にユダヤ人がモート化され、言いなりになることを怖れたのだった。そのことに気付いたユダヤ人(ヨセフと同じように謎を解く鍵は夢であった)は危険を察知しエジプトから逃げ出したのである。40年余り放浪してカナンに安住の地を得たユダヤ人だったが逆にモートの方が追いかけて来た。その理由は二つあって、もはやエジプトのモート化は終わったこと、次はユダヤ人になりすましイスラエルの歴史、つまり旧約聖書を書き替えることである。ユダヤ人がエジプトで感付いたことを歴史に書き残し自分たちのやり方を世界に知られては困るからその痕跡を消すという、そこまでやるかと言いたくなるエゲツない狙いである。しかしユダヤはローマとの戦いに挑んで蹴散らされディアスポラ化した(これも単に無謀な自殺行為ではなかったかも知れない)。長い歴史に亘ってなされたこのようなモートの流儀はドイツ人にとって迷惑な話でこそあれドイツ人の発明とは言って欲しくないだろう。

 ヒトラーの二世代前の祖母の一人はユダヤ人だったことが下巻に書かれている(大学の政治学の授業でも習ったことを思い出した。彼女の名前は確かシックルグルーバーだったと思う)。ヒトラーがユダヤ人を排斥したことを「ユダヤ人の末裔なのにユダヤ人を排斥した」と誰しも非難するが、MJに対し一番深い憎しみを持つ者はNJであると考えれば何もおかしくない。これが”今世紀(20C)のユダヤ人虐殺は何なのか”(p-166上)という疑問への回答にならないだろうか。筆者だけではなく、歴史的な人間対モートの対立に気付かない者が世界の多数を占めるのが実状である。戦争では勝った方の言い分が通る。もしドイツが勝っていたらもっと謎が公にされていたかも知れない。シャハト(「私はナチス党員ではない。しかしナチスの基本的な考え方にはかなりの真理が含まれている」p-302上)やワルトハイムやカラヤンらのドイツ人が理解されないのは何があったかを彼らの口から世界に向けて言わなかった(あるいはうまく言えなかった)からだと思うが、分かりにくいけれども心理学者のフロイトやユングの診断記録がその類だと言えなくもないし、たまたまドイツにいて当時の騒擾を見聞したイギリス人のハクスリーが書き残した記録も傍証になると私は考えた。ナチスが定めたニュールンブルグ諸法(1935/9/15)はユダヤ人とアーリア人の結婚を禁止した(p-351上)。恋愛や結婚の自由を奪う悪法と思う人が多いだろうがモートとの結婚は悲劇の元なのである。ある時大分前に亡くなった日本人の男優が私の枕元に出て来て話をしたことがあった。最初誰なのか思い当たらなかったのだが、ある女優の青白い顔が右下の方に現れて厳しい目線でじっと男を見つめていた。悲痛と口惜しさと恨みのこもったその気丈な顔は、すっかり面変わりした死相だったがそれでもある東宝の元女優そっくりだった。それで私は男優が誰かが分かった。二人は公認の夫婦で女性は高齢だがまだ健在である。男は「彼女は私のことを世間に暴き立てたいと願っているのだ」と言った。これだけのヒントでこの二人が誰のことか分るだろうか。
 作曲家のメンデルスゾーンの先祖はラビでユダヤ教の解説書を書いた。また後裔はメンデルスゾーン商会を起こして当時手広くビジネスを行っていた。しかしこの会社はナチスの反ユダヤ運動のターゲットとなって1939年8月に消滅した(p-363上)。メンデルスゾーンの立像も引き倒されて兵器に変えられた。筆者はこの成り行きに余り同情していないようだが、私はメンデルスゾーン一族はNJだったのではないかと思う。その理由は木を植え替え向きを変えても、あたかも木が前からそうであったように振る舞うのがモート流のやり方で、彼らがタルムードの説明にのこのこと出て来ることは絶対に考えられないからである。他方フルトベングラーのように自分自身はユダヤ人ではないし他人のユダヤ人問題にも全く関心のない者もいた(p-325下)。フルトベングラーの振る舞いの方が正しいと言えるだろうか?

アメリカ
 この本が出版されたのは1991年11月である。ジェームス・ゴールドスミス(1933/02~1997/07)のニャッと笑った顔が人物チャートに何度も出て来るが(毎回テーマが変わるたびに新たに掲示される夥しい登場人物の相関図がこの本の特徴である)、この時ジェームスはまだ生きていた。こんなに彼の所業を暴きたてて筆者はよく無事でいられたものだと思った。ジェームスはマクドナルドで莫大な金を稼いだ(p-230下)が、本人はマックで売っているような得体の知れない加工食品など口にせず、世界一の美食家として華麗な生活を送ったそうである(p231-上)。それで思い出すのは10年ほど前Youtubeに投稿された、東海岸にあるシナゴーグのラビが語った動画である。その中でラビは「過ぎ越しの祭りの生贄になった子供が生き血を抜かれた後、身体はミンチされて誘拐殺人が証拠隠滅される」と言っていた。また「シナゴーグでの説教は通り一遍の話をするだけだが、付属のユダヤ人学校では少年たちに詳しく本当の話をする」とも言っていた。本当の話とはミシュナーだろう。多分何十万人の視聴者がこの動画を見たと思う(しばらくしてYoutubeから消された)。そう言う自分だってユダヤ教のラビではないかと思ったが、彼は自分たちとは違う別のユダヤ教があるということを話していたのだった。つまりT(True)ユダヤ教とF(Fake)ユダヤ教があり、従ってTラビとFラビもいるのである。老婆心ながらFユダヤ教に救済力があるとは思えない。

 筆者は世界大戦の前の状況を次のように表現している。
”200年にわたりロスチャイルド家はヨーロッパの産業を掌中におさめ、ロスチャイルド家は莫大な富によって城を構え、ロスチャイルド家はヨーロッパの王室と貴族を動かし、ロスチャイルド家の財宝は芸術家を愛した。ロスチャイルド家はヨーロッパ全土を支配した。ところが物語は20世紀に至るまでには様相を転じはじめた。アメリカの石油王ロックフェラー、ドイツの鉄鋼王クルップ、フランスの実業家ラフィット、ドレッセル、銀行家ペリエ、イギリスの保険王ロイズ、オーストリアの金融王シナなど、百人の両手の指を折るほどもライバルがロスチャイルド家の前に立ち現れた。そして遂にロスチャイルドを倒すため具体的な、最大規模の行動が起こされた(p-282上)。”
 この対立が決して利害の衝突だけではないことに人間は気付くべきである。それにこういう書き方をすれば反モート勢の方が多いように見えるが事実はまったく逆であって、既にヨーロッパはモート化しているし、アメリカでも進行中である。キリスト教はヨーロッパ中心に広がり、アジアはむしろ神に見捨てられた地域だったのではないか。ヒンズー教や仏教がアジアの宗教であったが、仏教の仕掛け人であるイカ族は「我々は人間を告発するのが仕事である」と言っている。人間は人間の神を信仰すべきなのであり、人間の神とはイエスの父なる神であって、この神ではない神を信仰する者には救いはないのである。しかしキリスト教が人間救済に成功したかと問えば、悪魔によって邪魔され完全に裏目に出た。悪魔とはマリア、ペテロ、パウロであり、彼らはモートである。今となってはむしろキリスト教が広がらなかったアジアの方が人間回復の最後の拠り所なのではないか。
 マタイ福音書16:23に”イエスは振り向いてペテロに言われた、「サタンよ、引きさがれ。わたしの邪魔をする者だ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」”という節がある。この文章は何か不自然で、原意とは違うものに変えられている。先ず神の対句は悪魔でなければならない。また彼等にとっては人間は悪魔の手先である。そしてエデンの神話の捏造以来サタンは悪魔の代名詞である。従ってこれらの細工を取り除いて元の文に戻すと”イエスは振り向いてペテロに言われた、「悪魔の手先よ、引きさがれ。わたしの邪魔をする者だ。あなたは神のことを思わないで、悪魔のことを思っている」”ということになる。つまり原文ではイエスははっきりとペテロを悪魔の仲間と呼んだ筈なのである。しかしそれでは彼らの計画上都合が悪かった。聖書学者の間で共観福音書にはQ資料と呼ばれる共通のテキストがあったと言われているが見つかっていない。これも彼らのスピリチュアルな能力を使えばどこの誰がそのテキストを持っているかを探索出来たのである。彼らの手口はぬかりなくしたたかであった。

 Youtubeにロズウエル事件(1947年7月)がたびたび取り上げられる。アメリカのニューメキシコ州ロズウエルでUFOが墜落しグレイと呼ばれる数体の宇宙人が発見されたがうち一体だけ生きていた。生存していたグレイの名は自称エアルである。そしてマチルダ・オードネルという米軍看護婦がエアルとテレパシーで会話する。何故ならマチルダだけがテレパシーの能力があったから。エアルは「自分は生物ではない」と言うが、血管も消化器官もなくゴム人形を水で膨らませたような姿のグレイが生物である訳がない。その身体は彼らの進んだ技術で作られた見せかけのヒューマノイドであって、動かしているのは中にいる目に見えない実体である。寝たきりで口もきけない重度障碍者が脳波によってパソコンの文字を操作して会話が出来たり、照明やエアコンを点けたり消したりする技術の開発が研究されているが、彼らは既にその技術を持っていたのだろう。つまりグレイは中にいるエイリアンによってテレキネシスで操縦されるロボットなのである。これはモートが人間を乗っ取るやり方と同じである。エアルは「地球ではドメイン軍と旧帝国軍が対立して争っている」と言った。旧帝国軍とは創造神を中心とする人間の集団であり、ドメインとは彼らは地球に先住し従って事実上彼らが先占した彼らの領域であることを言っている。地球は創造神によって作られ、人間を頂点とする生態系が支配する世界であるが、人間は地上に霊長類が生まれる環境が出来てから地球にやってた。これが人間とモートの間で地球の主権をめぐって繰り広げられて来た長い争いの図式であり、それは未来の主権を賭けて現在も続いている。人間にとっては彼等こそ敵でありインベーダーであるが、先行して発達した彼等のテクノロジーはあなどり難い。しかし人間は神に似せて作られた創造神の賜物なのであり、その宗教は父なる創造神への信仰でなければならない。エアルは他に「人間はBE-ISである」とも言っている。これは現在存在する人間が未来も存在すること、即ち霊魂不滅のことを言っているが、他の神を信仰して創造神信仰を忘れた者や仲間と行動を共にしない者は見捨てられても仕方ないであろう。

「赤い楯(下)」
 地球の全史の頂点に立ったのが近代のロスチャイルドだった(P-713上)。我々の高校の歴史教科書にはロスチャイルドの名は出て来なかったと思うが現在の教科書ではどうなのだろうか。上巻は基本的にほぼ我々の世代が高校の世界史で習ったことの復習であったから何とか纏めることが出来たが、下巻(p-507~)の内容は我々と同世代人が長年日常の暮しを送って来た中でニュースとして報道され、まだ生暖かく記憶に留まっている現代史であり、中には定評を得ていない on-going のテーマも多いからどう扱えば良いのか大変である。後半で筆者の関心はまずフランスに向けられる。スターリンによる合計数千万の餓死者・刑死者を出した政策が目指す所は鉄の増産にあり、ウクライナの穀物を来年の種籾さえも残さずフランスに売れるだけ売って得た金がその資金になった。アゾフスターリの巨大な製鉄所は今回のロシア・ウクライナ紛争ですっかり有名になった。フランス側でこのビジネスに関わったのは筆者の推定によれば穀物商社ルイ・ドレフュス商会であった。ビスマルクの「鉄は国家なり」の信奉者は毛沢東も然り、生活必需品の鍋・窯・農機具まで溶かして国家一丸となって粗鋼生産目標の達成に邁進したことは名著「ワイルド・スワン」に出ていた。この二人だけでなく、ポルポトや金ファミリーの下でもみじめな共産主義国の国民は独裁者によって粛清されるか餓死してその命は余りにも軽かった。一党独裁の政治が専制と背理に陥り For the people になることは決してなかったというのが私の共産主義に対する総括で、例外的に合格点を貰えるのはホー小父さんくらいではないだろうか。筆者は独特の係累をたどる手法を使ってマルクスによる「資本論」の原点はロスチャイルドにありと言っているが、鋭い指摘だと思う(P-931下)。というのは私は奇しくも小説「1984年」の査察官オブライエンのモデルはロスチャイルドではないかと思っていたからである。オブライエンのやり方は人間を殺すのではなく生きたまま魂を取り替えることだったが、これはモートの手口そのままである。そしてオーウエルが描く36年後の「1984年」の空想的未来は赤色集産主義世界であった。


 安倍晋三・元首相について紳士録を見れば彼が元外相・安倍晋太郎の息子であることが分る。そして安倍晋太郎の妻洋子は岸信介の娘であり、岸信介の実弟はノーベル平和賞を受賞した元総理大臣・佐藤栄作である。彼らの地盤は山口4区である。さらに詳しく調べればかって岸信介邸は文鮮明邸と地続きの隣り同士であり、この選挙区内の下関市には日本最大のコリアンタウンがある。従って岸・佐藤・安倍は姓名は違うが一族であり、このファーミリーが集票のために元統一教会と長い間ギブアンドテークの癒着があったことが推察できるだろう。思うに筆者はこの本に登場する夥しい欧米の人物についてこれと同様の探索を英語・フランス語・ドイツ語の原典資料に当たって根気強くやったのだと思う。その過程でフランス人の中にはギイ・ロスチャイルドのように、彼がポンピドーとは「親友」または「血を分けた一族」のような深い仲であると自伝で書いている(P-576下)にも拘わらず、調査からはその理由が上がってこないケースがあることを不思議に思っている。また銀行支配者たちが何故か内輪だけの「無限の一族」のようなものを形成している(P-635下)とも書いている。かと思うと今日では痕跡さえも残っていないファミリーがある(P-638上)。これらの謎はフリーメーソンのせいかというと必ずしもそうではない。ミッテランは正当派の派閥に属している人間ではなかった(P-605下)、つまり彼の名は歴史的な昔からある政治団体の中には見当らないが、現在はフリーメーソンの実働部隊にその名がある。フランスのフリーメーソンはフランス革命の頃誕生し王制打倒に重要な働きをした(P-590)。しかしフリーメーソンのメンバーの多くは小物ぞろいで(つまりそれ以前の歴史に登場した事のあるビッグネームではなく)、用済みの人間は消されたのである(P-605下)。小物とは革命を志して結社に入った反王党派の(オーウエル流に言えば)プロレたちであろう。他方、フリーメーソンの中で生き残ってミッテランのように大統領にまで昇り詰めるのはロスチャイルドに見込まれた者であろう。ではロスチャイルドに選ばれるか見放されるかの差は何なのかということになる。恐らく上述したすべてのケースで彼らがロスチャイルドと「血を分けた一族」かどうかということがキーになったであろう。それまで彼等は歴史の影に巣食っている存在に過ぎなかったが、今や「ロスチャイルドは国家なり」の時が来たのである。こうした目にも見えないし記録にも残っていない基準で人間が選抜され、または排除される国に対し、筆者は「現在のフランスは世界一の秘密国家である」(P-588上)と言っている。似たような表現はこの本のあちこちに見付かる。
 大戦後ジェームス・ロスチャイルドの孫モーリスがドゴールに原子力庁を創設させブルム首相に「フランスの兵力を原爆によって強化せよ」と指示した(P-633上)。この指令に対する対応にミッテランとディスカールの間には微妙な温度差がある。ミッテランの後を継いだディスカールデスタン大統領は原爆実験で筆者に糾弾されているが、ディスカールなりにそうする理由があったのではないか。当時は地球の石油埋蔵量があと半世紀分位しかないという悲観論がまことしやかに喧伝されていて、中東戦争によって石油価格も暴騰する中でフランスの自前の石油会社トタルはセブンシスターズにも入っていなかった(現在は6メジャーズの一つ)。ロスチャイルドが支配するシェルはイギリスとオランダの合弁会社であった。もし近い将来石油が枯渇するのであれば可能な解決策として原子力発電は無視できない選択肢であっただろう。しかし原子力発電がいかに厄介な難物であるかはやってみなければ分らなかった。この本が出た後に起きた福島の事故で筆者の危惧は現実のものになったが、最近の電力需要のトレンドはうなぎ登りで、可能であればより安全で効率の良い原発(例えば浮体式溶融塩高速炉は結構づくめであるがうまくいくかどうか)を期待する声は今もある。それでも放射性廃棄物の処理問題は持ち越されているし、その対策は原発導入上のクリティカルパスである。原爆保有国はインド・パキスタン・北朝鮮と拡大し、フランスが先行したからといって特別なことではなくなった。だが問題は原爆を持てというロスチャイルドの指令には国防だけでなく別の意味があって、私は後程それを言わなければならない。
 ナポレオンが創設したフランス国立銀行は二百家族のものになっていた。この銀行は二百家族へのボーナスのためにフランを増刷する位のことはしていたと思うが、EUが動き始めてユーロ紙幣の発行権がEUに移り事情が変わった。それでも印刷所は各国にあるからこっそり増刷することも不可能ではないだろうが、自分たちの作った組織の規律を乱すほど悪質かどうか。逆に電力は国有化されジェームス・ロスチャイルドが始めた北部鉄道も含めて鉄道も国有化された(P-740上)。しかし利権は担保されていて、もし赤字になれば国民の税金で埋め合わせするのだろうと皮肉も言いたくなる。上巻のテーマは主に金とダイヤモンドであったが、銀行・鉄道・電力に加えて、武器・ワインを含めた食品業・海運業・原子力産業・観光業・世界にニュースを配信する通信業・広告業等々が如何してロスチャイルドの下に集約されたか、この本に詳しく書かれている。鉱山業者リオ・チント・ジンクによって南アとナミビア産のウランが支配された(P-547上、P-688上)がこれもロスチャイルドである。この全体像に筆者が「一体彼らは何をしようとしているのか」(P-687上)と疑問を感じるのも当然であろう。筆者は余り関心がないがフランスの場合宗教も彼らのものの一つである。
 私がキリスト教に改宗して間もなく見た夢で、三角形の中に目がある「プロビデンスの眼」の絵柄が手の届くほど近くに現れたのに驚いた。不思議なことにそれは中空に浮かんでいたが周りには誰もいなかった。このシンボルマークはフリーメーソンでも使われるから「フリーメーソンに入れ」というメッセージかと思うが、VIPでもない私が何故だろうと疑問に思った。メーソンには様々なバリエーションがあるらしいし、入会をあまり真面目に考えた事はない。モートはどんな組織にでもずけずけと入り込んで自己流に作り変えるから、フランスのフリーメーソンは本来のメーソンとはかけ離れたものではないだろうか。最近放送されたNHKの番組でノートルダム寺院の再建を特集していた。私は予言者ではないが、ノートルダムは再び燃えるだろう。それが嫌なら警戒を厳重にして入場者をモート族かシチリアン・マフィアに限るべきである。マリアのオカズにされたことを恨む NFフランス人は多いのだから。

 ベルギー、オランダも彼等のドメインである。アトミウムというモニュメントがブリュッセルにあるが、フランスのロスチャイルド家はベルギーを分家に利用して世界一の原子力帝国を作り上げた。フランスのロスチャイルド男爵、ベルギーのアンパンマン男爵(パリの地下鉄第一号を作った)とランベール男爵(銀行家)を合わせて原爆男爵三人男と呼ぶのだそうである(P-749下)。なんでそんなに原爆を作りたがるのか?ブリュッセルにはEC本部とNATOの本部がある。アメリカはNATOのメンバーであるが、NATOの本質に気付いているのか?騙されているのではないか?
 オランダと言えばダイクと風車とチュ-リップとレンブラントと飾り窓の女で、麻薬の取り締まりは緩く自己責任である。この国はロッテルダムにあるシェル精油所によって国家そのものを石油総本山としてロスチャイルド家に捧げて来た。アントワープはダイヤ産業の中心地でありワールド・ダイヤモンド・センターがある。スマートなオランダ人の一人当たりの年収は日本よりはるかに多いそうである(P-692下)。「オランダは国王も警察もしっかりしていて良い国だ。一度キューケンホフにチューリップを見に来てくれ」と言われていたが、この本を読みながら「あれは嘘だった」と気が付いた。

 スイスには大手から個人銀行まで歯医者の数と同じ位銀行がある。ヨーロッパは戦争を繰返す地域だからもし自国の銀行に財産を預けておいて国が戦争に敗けると全部敵に没収されてしまう。そこで永世中立国(ネイサンの死の21年前の1815年ウイーン会議で認められた)であるスイスの銀行に預けておけば終戦後無事に預金が引き出せるという算段である。ナチの時代ゲシュタポがお金を持ってユダヤ人の名を騙ってとある銀行に預金しに行った。もし受け付けられればそのユダヤ人の口座が当該銀行にあることが分り、そのユダヤ人の預金はゲシュタポに没収された。これに懲りてスイスの銀行は個人名は一切使わず口座番号だけで預金の預け下ろしを扱うことにした。銀行の口座のリストを見ても口座番号と預金の残高が載っているだけで、何番が誰かは銀行も記録に残さないし知っていても言わない。預金者が貯金を下す前に死ねば銀行のものになることを筆者は危惧しているが、ふつうは妻か子供か兄弟か信用のおける知人に「私に万一のことがあればスイスのXX銀行のこの口座番号で預けてある預金をどうこうしてくれ」と言い残しておくだろう。あるいは秘密の場所にメモを残しておき限られた縁者知人にメモの存在を教えておくかも知れない。口座番号だけで出し入れ出来るからマフィアのマネー・ロンダリングに利用される危険があるということだが、それは口座が出来た後の話で、口座開設の時には加入者の本人確認と彼の社会的信用度は厳しくチェックしている思う。この点で私の見解は筆者と違う。しかし独裁者というものは自国で特別に強力な権力を握っている者で違法者ではないから筆者の列挙する(P-934)ような人物が口座を持っている例はあるかも知れない。口座が出来たあと振り込まれるお金がきれいか汚いかは元より調べようがない。戦後ナチの隠れ資産を没収しようとスイスの銀行にアカウントの公開を迫ったのがロスチャイルドの代理人でアメリカ財務省調査官のモルゲンソーJrだったが要求は通らなかった。「アウシュビッツで殺されたユダヤ人の財産を返せ」と迫ったイスラエルの要求も拒絶された。このことから「スイスの銀行はロスチャイルドのものではないと思われる」と筆者は言っている(P-932下)が事実であろう。しかし筆者が「スイスは麻薬と武器と裏ビジネスに手を貸している(P-955下)」と断言しているのには若干の疑問を感じる。

 映画「サウンド・オブ・ミュージック」でナチズムに反対するトラップ一家はアルプス越えしてスイスに亡命した。「武器よさらば」でもイタリアでの戦争に嫌気がさした主人公は妻と共にボートでスイスに逃れた。四方をフランス・イタリア・オーストラリア・ドイツに囲まれたスイスは亡命者の寄り集まる所である。グッゲンハイムのハイムはオランダ語でHouseの意味だから一族はオランダからの亡命者と思われるが彼らが亡命した理由は何だろう。共にユダヤ教に関係しているグッゲンハイム家とメンデルスゾーン家はスイスで婚姻関係を結び、金貸し業で財をなした(P-940上)が、縁者の一部がスピンアウトしてアメリカに渡りスイスから刺繍を輸入してその商売でも成功した。スイスの婦人たちが丹精こめて編んだ刺繍!何と綺麗な商品だろう。悪人が扱うのに似つかわしいとは思えない。アメリカでグッゲンハイム家がコロラド州からユタ州にかけて鉱山の開発でも成功した話は後述する。亡命者が受け入れられるには当然審査があるだろう。スイスにその名もロスチャイルド・コンティニュエーション・ホールディングスという銀行があり一族のすべての金塊を保持している(P-950下)が、ファミリーはスイスにいないそうである。「スイスにナノワイヤーなぞ持ち込まれては困る」という話を聞いたことがあるがそのせいかも知れない。ヨーロッパでナノワイヤーの話を聞くのは珍しい。この本でスイスの三大銀行の一つとして紹介されているクレディ・スイスはロスチャイルドのバックアップで1856年に設立されたが最近経営不安のニュースが流れた。

 戦後GHQが日本を統治するに当たり最初にしたことは財閥解体であった。1946年に発表された基本的見解では「財閥は日本特有のもであって類似するものはロスチャイルド以外にないが、ロスチャイルドは現在存在しない」と書かれていた(P-712下)。アメリカにはモルガンやロックフェラーといった新しい財閥が育っていたがこれらは旧い体質の財閥とは違うと言う訳である。筆者はこれを甘い判断だと非難している。現にネイサンの血を引き継いでいるアンソニー・ロスチャイルドが隣国のカナダで日本の3分の1を超える広さの土地を買取りウラン鉱山の事業に乗り出していたし、今日のヨーロッパ原子力産業の骨格はほとんどロスチャイルド家によって作られていた(P713-下)。そしてフランスとイギリスのロスチャイルド家はカナダ・オーストリア・南アのウラン鉱山を握りダイアモンド・カルテル、金塊カルテルと同じようにウラン価格を支配するウランカルテルを作り上げた(P-714下)。アメリカにはJPモルガンの孫ヘンリー・S・モルガンが動かすウラン・カルテルがあった。グッゲンハイム家は鉱山開発で利益を挙げたが、アメリカにウランブームが起きてユタ、カリフォルニア、ネバダ、コロラドでウランが発見され、ブームの波が身近に迫って来ると鉱山の仕事から手を引いてしまった。これがモルガンを自分の仲間と見て彼らに協力し鉱山を託したのか、モルガンのカルテルに支配されるのを嫌い彼らとはやって行けないと事業からおさらばしたのかは判らない。いずれにせよここでヨーロッパ系とアメリカ系の二つのカルテルの対決の場面になった。ではロスチャイルドはアメリカも支配しようと巨額の資金によってモルガン傘下のウラン鉱山を買収する動きに出るのかと思いきや、何もしなかった。そして結局はアメリカンカルテルもロスチャイルドのウランカルテルにすんなりと組み込まれた。現在はロスチャイルド銀行が世界のウランを動かしていて(P-715上)、リオ・チント・ジンクから逃れて原子力産業に関わる独立会社は存在しない(P-779下)。
 上巻で筆者は輪廻転生と思しき8例を示し、8番目に金融王ネイサン・ロスチャイルドが18367月にこの世を去った翌年にその財力を受け継ぐ(?)世界一の富豪JPモルガンが誕生したことを上げている(P-167下)。国籍もファミリーネームも異なる転生だが成る程この話は色々と辻褄が合う。この場合スイスの銀行がキーになるだろう。もし銀行名と口座番号(またはそれを記録したメモの所在)を「記憶」していればロスチャイルドの資金にアクセスできるのである。モルガンの若い頃の行跡を追うと、ハイスクール卒業後スイスの学校に進学してフランス語を習い、ゲッチンゲン大学でドイツ語を習い、ロンドンで学業を終了するなどネイサンの経歴そっくりの道筋を辿っている。父親が J.S.Morgan & Co.という銀行業をやっていたと言うことだが、モルガンは鉄道会社を統合再建し、海運トラストと鉄鋼トラストを組織し、USスチールとGEを生み出した。USスチールは第一次大戦で莫大な利益をあげた。彼の手法をモルガナイズと呼ぶそうだが、こんな数々の大事業の資金が銀行業だった父親の資産だけでこと足りたとはとても思えない。ロスチャイルドの資金の受け皿として父親の銀行は誂え向きではなかっただろうか。

 「一体彼らは何をしようとしているのか」という筆者の疑問に対し、「彼らはヨーロッパを乗っ取ろうとしている」と答えるのは的外れではないだろう。いや既に「ヨーロッパは我々のものになった」と言っているようである。最終的には地球全体の乗っ取りであろうが、ヨーロッパの次に狙うドメインは南北アメリカであろう。ロスチャイルド商会が南米で最大の投資をした国はブラジルである(P-911下)。私の家族の例に見られるように日本人も50%近くはモート族だろうし、イカ族もいる。筆者は気が付いていないと思うが、この本でも取り上げられた北海沿岸の国はイカ族の国である。その国出身の女優は若い時に綺麗だったが、私の父も先妻を初めて見た時「こんなにいい女がこの世にいるのか」と思ったそうである。美女は罠である。モート族と違うのは、父の先妻は死んで初めて自分がイカ族であることに気付いたらしい。モート族とイカ族はタイアップしている。
 「二種類のユダヤ人」の項の末尾に書いたように、霊界で北関東の都市に原爆が落ちた。その後日本では函館にも観音の国「南国」にも埼玉(江戸川べり)にも落ちた。「南国」がどこにあるかは私も知らない。今まで書かなかったが仏教で観音だけは人間救済に尽力していた。イカ族にとって観音は敵だったから南国にも原爆が落ちたのである。日本で宗派を開いた仏教の宗主は死ぬとすぐにインドに連れていかれ、イカ族にバズーカ砲で脅されて変節した。だから空海や日蓮の書いたものを有難がって読んでも救われないことを認識すべきである。原爆投下の指令はヨーロッパのある企業の本社が出したのであるが、北海沿岸のイカ族の国もその傘下にある。モスクワにも原爆が落とされたらしいし、アメリカでもカリフォルニアやミネソタ(丁度イギリスでチャールス新国王の金ぴかの戴冠式が行なわれていた時)に落とされた。この事に気が付いた者も多数いると思う。彼等がウランに執着する理由が分かるだろう。この世でなされたことはあの世でもなされている。この他の都市にも落ちたようだが、ブラジルには落ちなかった。
 どうして急にそんな事態になったのかと疑問を持つと思うが、戦いはずっと続いていたのだった。それは日本ではMNNNの戦いだった。MNはモートとイカ族を含む。NNは native な日本人であるが、人の子に限らずサル族もイヌ族もブタ族その他も含む。彼らも元々は人間だったが日本では仏教の裁きによって動物に落された者が多い。特にサル族は勇敢で役に立った。これまでモートは種族のトップを自称していた。彼らが差配するルールは出鱈目で、食べ物の場合生まれ変わりに支障が出るからあれは食ってはいけない(魚介類や肉類)、あれは食べても良い(例えば大根)というのも嘘ばかりである(これは仏教でも同じである)。配置換えでシャッフルされて一緒に来た仲間ともバラバラになる。あれはお前たちの敵だ、というのが実は味方である。我が家の例がそうであるように、家庭の中でも敢て種族を混交させ、その中でモートは他の者を「奴隷ども」と呼んで「言われた通りにやれ」と支配し、穏やかな心の通い合う円満な家庭なぞ決して出来ないような仕組みにした。モートは犠牲を求めるが、私の仲間の女が「次は私の番か」と障子の影で震えていたのだった。戦いは日本をブロックに分けて行われた。モートの優勢なエリアは東海道線沿線で、横浜にも神戸にも元町がある。神奈川は集まりが悪かったが、その理由は私を「あいつは悪魔だから従うな」という噂をばらまいた者がいた。昨今はモートのエリアは東京から北の方へも広がっていた。モートの別名を言えばある地域がその中心だと分かるだろう。NNはもうこれが最後の機会だとMNに対して戦いを挑んだ。女も健気に髪の毛を切って一緒に戦った。イスラムは日本での戦いを見てその健闘ぶりに途中から力を貸してくれた。その結果NNグループの優位がほぼ決まり、MNグループは期限付きで立ち退きを求められている。原爆はその置き土産である。この件がどうなるかまだ未確定である。
 序でに言うと仏教には餓鬼道という独特のランクがある。餓鬼道の子らの出自はもとは人間だったかも知れないが、むごい仕事を強制されて既にまともではなくなっているのは一目見れば分かる。貴方が仏教徒で人間なら、仲間の子供がイカ族によって餓鬼道に落されているかも知れない。あまり朝ドラは見ないのだが、大分前に放送された村岡花子の物語は少年時代に赤毛のアンを読んだ記憶がなつかしくて欠かさず見た。あのドラマに出ていた当時若くて愛らしい丸顔の女優が夢に出てきた時、後ろに付いているのが悪魔といってもいい悪童だった。もし彼女に「貴女には悪魔が付いている」と言えば「冗談ではない」と怒るだろうが、知らない方がいいというものではない。このブログのトップにガバメントのガイドラインを載せたが最近まで招魂社の何が問題なのか分からなかった。答えは「招魂社はイカ族の領域」だった。戦没者慰霊で僧侶が線香を炊いて経を上げるからそう事になっているのだろうが止めた方がよい。Youtube にイカ族の登場する動画があるがイカ族とはこの事かと(或いはこれは一体何だろうと)と思った人も多いと思う。

 この本は情報量が豊富で圧倒されたが多くのことを教えられた。しかし筆者の意見にそのまま従えないこともしばしばあった。ドゴール将軍がいなければ誰がレジスタンスの指導者になったのだろうかと思うし、コール首相のリーダーシップなくして東西ドイツの統一はすんなりと成し遂げられなかったと思う。ドゴール将軍が軍人として上層部の指令に逆らえず植民地に与えた被害も、彼自身の判断で指令を無視したり手抜きすることは出来なかっただろう。大統領になって最高の権力を得た時コミ・デ・フォルジュ---この兵器会社シュネーデルとヴァンデルによる委員会が首をタテに振らなければ大統領も首相も一切決断できない(P-736上)---の思惑にも拘わらずアルジェリアの植民地解放と民族独立を認めたのだった。コミ・デ・フォルジュも後になって大統領の決断を覆すことは出来なかった。ドゴール主義とは独裁的にことを進める一種のファシズム(P-613上)と見るのはコミ・デ・フォルジュの側に立った見解であろう。
 分断国家を見るとベトナムは統一のために悲劇的な戦いを経なければならなかったし、南北朝鮮は戦争を経たあとでも統一することなく緊張状態は続き、今もそれは緩和する見通しも立たず世界に不安を与えている。中国の分断はこれらとは別で国共対立の延長であり自分たちが原因である。コール首相がイランゲートで疑われても(P-929下)彼の私利私欲のない情熱によって推進された平和的な統一に対する功績は評価すべきだと思う。私も話が大きくなってこれまでの常識を塗り替えるようなことを言っているが、何かでドジを踏んで全体の信用を損ねることがないよう注意しなければならない。
 最大の見解の相違は「もっと厳しい戦後が訪れるべきであった(P-869下)」という日本の戦後処理観である。トルーマンは東京を含め3発目・4発目の原爆投下を計画していたらしいがそうはならなかったのも、ソビエトロシアが北海道を分割統治するプランがあったがそうはならなかったのも、日本にとって幸いだったと思う。米軍指導部は日本軍の航空母艦に対するカミカゼ自爆攻撃にショックを受け原爆投下を決意したそうだが、帝国軍人は「醜の御楯」となって天皇中心の国体を護持する精神を注入されていた。トルーマンは日本人の精神を慮って天皇の地位を象徴として残し国を二分することにも反対したのではないだろうか。ノイマンは京都を原爆投下の候補に上げた。それまで京都は大した空襲もなく京都の神社仏閣はほとんど無傷だった。それは「文化財を保護する」ためだったという説があるが、交戦国の文化財を心配するなんておかしな話である。ノイマン説は拒否されて京都は原爆投下の候補から外されたがノイマン説を却下したのはオッペンハイマーかも知れない。ドイツ出身のロスチャイルドファーミリーとして12の名前が上がっている(P-925上)中にオッペンハイマーの名もある。彼は京都にいるイカ族のことを心配したのではないだろうか。


 私は日本のロックフェラー系の石油会社に奉職し今も企業年金を受け取っている人間であるから、石油業について他の業種の人よりもいくらかは詳しいと思うので以下書き加えたい。ドイツモービルが SS(サービスステーション)に売る石油製品を不当廉売してロスチャイルドの怒りを買ったという記事があったが、原油価格の違いを除けば石油製品は輸送コストと貯蔵コストの違いで価格差が生まれる。石油の値段は基本的に貿易で言う FOB Price で石油販売会社の店頭(SS)渡し値であり売り手が運賃を負担するから、製油所から SS へ直接運べば値段は一番安くなる。この場合も近ければ近い程運賃は安く、また貯蔵コストもかからない。製油所から遠い地域であればいったん油槽所に運んで貯蔵し、そこからSS まで運ぶことになるが、その場合製油所から油槽所までの転送コストがかかるし、油槽所の建設費用や維持にコストがかかる上に石油製品を保管するために必要な安全管理や在庫管理上の貯蔵コストもかかる。だからある地域にドイツモービルが製油所を新設してそこから周辺の SS に直接売れば他の石油会社より競争力のある価格設定をすることが可能だっただろう。更に言えば、多数の SSを持つ石油販売会社が自分でローリーを持っていて製油所(または油槽所)まで取りに来れば販売価格のうち運賃相当分を値引きしなければならないし、販売数量に応じた Volume Discount もあるだろう。
 私の会社の場合原油を買って日本に届けるのはワールドエクソンまたはワールドモービルで我々は関係なかった。原油は東亜燃料に売られ、エッソとモービルは製油所で分留された石油製品を東燃から買ったのである。東燃の株は50%がマーケットで取引されエッソが25%、モービルが25%を持っていた。しかし2000年にExxonとMobilが合併しExxonMobilになって日本の法人も一緒になった。この時私は希望退職した。その後で日本の ExxonMobil は株と資産を東燃に売り日本から撤退した。この2者にエッソの子会社であったゼネラル石油を合わせて東燃グループが出来た。しかしこれも日石グループと合併して今は ENEOS になった。
 石油製品はハイオクから重油・アスファルトまである。ガソリンをヒーターに入れて燃やすと爆発して事故になるし灯油を自動車に入れても走らない。ヨーロッパの普通車はハイオクか軽油仕様であるが日本車(乗用車)は多くはレギュラーガソリン仕様でヨーロッパにも輸出されている。こうした石油製品の共通規格の作成をリードしたのが Standard Oil Co. で例えばハイオクをモービルSSで買ってもシェルSSで買っても、値段の違いはあっても品質は同じものでなければならない。Standard とは標準規格のことで、これを決めるに当たっては石油会社が共同で協議し各社了解したであろう。ビールのように各社でアルコール度数が違うという訳には行かない。Standard Oil Co. は大きくなりすぎて1960年頃アメリカの独禁法違反で分割され日本ではエッソとモービルになった。エッソとは Standard Oilの頭文字を略した名前である。
 石油危機の頃は今はない丸善・大協・共同・三菱などを含め今より石油会社の数はずっと多かった。そして定期的に社長会が開かれていた。その会合で、急上昇した石油価格対策の話題になり(いやならないうちに)値段の「ね」の字が出るやエッソとモービルの社長は「我々は帰ります」と退席した。だから石油危機時の価格カルテル疑惑で公取に訴えられた石油会社の中にエッソとモービルは入っていなかった。通産省の指導により各社ともある日付以降の出荷分に対し一斉に値上げが認められたが民生用灯油は値上げを抑えられ、売れば売るほど赤字が増えた。2022年度の ExxonMobilは最高の利益を上げたがこれはロシアのウクライナ侵攻が原因で思いもよらないフロックであった。